研修医の方へ

● 学生へのメッセージ

多様な職種ですから興味とやる気と協調性があればどんな人でも大丈夫です。循環器や不整脈に面白い要素があったら必ずやることはありますので、地道な人、答えだけ求めて走りたい人、それぞれに向いている分野が見つけられるはずです。不整脈班も循環器内科全体も女性の割合が多いのも特徴です。体力的には、国家試験を突破できた体力があるわけですから問題ありません。更に言うなら、一芸があるといいですね。多様性を持ったグループを目指しているので、誰でも大歓迎というのは本当です。

当班の方針としては、臨床と基礎実験のバランスを取りながら、常に多元的な見方をしているということです。カテーテルアブレーションとデバイスの発展によって、もはや薬が最終手段ではなくなり、あらゆる疾患の状態に対して効果的なアプローチができるようになってきた非常に魅力的な分野と言えます。

また、不整脈班の中だけで終わらず、心不全班や虚血班ともコラボレーションをしています。どの班も俯瞰的な視野がないと限界があるということに気づき、それぞれ対策を考えています。

● 不整脈を選んだ理由

この道に進んだ動機は、自分をよく指導してくれた先生が不整脈専門ということでした。数学やパズルを解くような不整脈治療のロジックに魅力を感じたからです。今は不整脈を総合的に考えなさいと言っていますが、20年以上前の治療は、心電図に隠れたヒントを読み取り、この人にこの薬を選ぶのはなぜか?どういう理屈でこの薬が効くのか?というロジックでパズルを解いていく面白さがありました。現在は、全体を俯瞰して原因や治療法を探る興味深さがあります。

最大の魅力は、虚血を選ぶ先生たちが自分の腕で治せるとおっしゃるのと同じで、我々も、カテーテルで頻脈を治せる、ICDを入れて命を守ることができるという強力な手段を持っているということです。臨床的に何かをしてあげられるという明快さがあるので若い先生たちにも勧められます。

私は研修医や一年生の時から何かを考えて導き出す分野に行きたいと思っていました。人の命に直接かかわるような管理ができるものに携わりたかったのです。循環器は発症から治療までの時間が勝負の病気です。急患が来た時にそれを理解していないと命を失う可能性もあります。それだけに修行は厳しいですが面白いし大事です。

庭野 慎一

北里大学医学部循環器内科学 診療教授