研修医の方へ

循環器内科を選んだ理由は?

救急にはもともと興味がありました。救急の中で何かを専門にするとしたら、一番生命に直結していて、疾患がわかりやすい心臓がいいと思いました。血管が詰まって苦しんでいる患者さんも、そこを治せば劇的によくなって歩いて帰れます。一方で、心臓は他の科の医者が手を出しにくいところでもあります。
救急の中で心臓疾患は非常に多く、呼び出される回数も少なくありませんが、やりがいはあります。僕が救命救急専属になって8年が経ちます。以前は循環器内科から出向していたかたちでしたが、去年から救急の准教授になりました。

循環器内科医は、心筋梗塞などの心臓疾患だけでなく、交通事故の重傷患者や薬物中毒患者も診ることもあり、循環器内科の中で救急に携われることも特徴です。そこに興味がある人に来てもらいたいです。救急と循環器内科を一緒に学べるので両方の仕事に精通できますし、他との差別化もはかれると思います。

JDR(日本国際緊急援助隊)も救命救急の仕事なので、循環器内科の医者でも希望すればそういう道へ進めます。循環器内科だけやっていたら無縁の仕事ですが、国際援助に興味がある人にとってはひとつの利点です。

カテーテル治療をしたくて循環器内科に入る学生がほとんどですが、それ以外の人も大勢いるのが当大学の特徴です。当大学では予防やリハビリテーションも医局の中でアクティビティとしてやっていて、女性も活躍しています。救急は細かく時間を区切って働けるので、仕事と家庭の両立には向いているかもしれません。

竹内 一郎

横浜市立大学救命救急講座主任教授