現在、私は北里大学健康管理センターに勤務しています。2人の子育てをしながら、周囲の先生のご協力もあって、医師としての勤務を続けているのですが、まずは私の日常をご紹介させていただきます。朝は長女を自宅そばの幼稚園に預け(幼稚園が終わっても預かり保育でしっかりみてもらえるので安心です。)、続いて長男を保育園に預けてから、出勤しています。健康管理センターの業務は予防接種や健康診断、学生からの健康相談・必要に応じて医療機関を紹介、などがあります。集団予防接種などの行事が予定されていなければ、おおむねのんびりと時が過ぎていきます(時々、急を要することも起こりますが)。
予防接種は院内感染対策や自身の健康管理という点からも重要な位置づけですが、健康管理センターでの特に大きな行事としてB型肝炎やインフルエンザの集団予防接種があります。B型肝炎の予防接種は抗体をもたない学生(医療系学部)や新規入職の職員などを対象としてワンシーズン3回(間隔をあけて1年の間に3回接種します)で行っています。インフルエンザの予防接種は学生や教職員を対象としますが、大人数なので秋~冬の一大行事です。デスクワークが多いですが、なんだかんだとやっているうちに勤務時間が終了し、保育園と幼稚園に子供を迎えに行き、帰ってからも夕食、入浴、寝かしつけと忙しい日々を送っています。
何故、私がここで働くに至ったのか、ということですが、まず北里大学を卒業後、内科研修を終えた私はどの科を選ぼうか?と当然ながら悩みました。結局、循環器内科を選んだのですが、その理由は他の内科各科と比べて治療後、元気になって帰る患者さんが多かったのと、心臓って奥が深いな、と興味をひかれたからです。研修は忙しいながらも充実しており、大学院へ進学後、病棟チーフ、主治医などと貴重な経験もさせていただきました。
その後、北里東病院にある心臓2次予防センターでしばらくの間勤務していました。心臓2次予防センターでは心臓病の既往がある患者さんに年に1回くらいの心臓定期検査を行っています。普段は地域のかかりつけの先生方に診てもらっている患者さんも年に1回のハートチェックをすると安心できますし、必要があれば、大学病院へ紹介もするので悪化を未然に防ぐことができます。急性期の治療後、いかに悪化しないようにするのか、大事なところです。短い時間ながら、何か問題点はないか(食生活、運動習慣、喫煙など)と、さぐりながら、アドバイスしたり、かかりつけの先生方に検査結果の報告書を作成したり、と微力ながら少しはお役に立てたのではないかと思っています。長女の子育て中もしばらくは時短勤務というかたちで心臓2次予防センターで勤務していましたが、2人目が産まれたあと、その後の働き方をどうしようか?と考えていたところ、健康管理センターでの話をいただきました。 心疾患のある患者さん相手とは違い、健康な人を対象としていますが、学生の心電図チェックや生活習慣病予防のためにどうするか?等多少は関連したことも検討しながら日々過ごしています。もちろん、循環器関連の業務に携わる道は残されているのですが、私に余裕が全くないため、今のところこれが精いっぱいとなっています。個人の事情に合わせて配慮いただいて深く感謝しています。
家事、育児を両立させながら働き続けるということは難しいですが、こんな進路もありますよ、とご紹介させていただきました。
吉田 友紀
北里大学健康管理センター