医局長のつぶやき

2016年10月

CCT 2016 最優秀賞

循環器内科 南 尚賢

10月20 – 22日にかけて神戸で開催された、CCT(Complex Cardiovascular Therapeutics) 2016のBest Intra-coronary Imaging Competitionにて最優秀賞を頂いたのでご報告致します。
CCTは毎年神戸を会場に行われるカテーテルインターベンションの国際学会です。7年ぶりの参加でしたが、以前にも増してアジア諸国からの参加者が多く、日本で開催されるインターベンション関連学会への注目度が高いことがうかがえました。さて、今回発表したセッションは、IVUSやOCTによる冠動脈内イメージングで、臨床上有用かつインパクトのある画像に関するcompetitionです。公募の中から選出された10名のpresenterが発表し、judgeが採点するという形式です。今回発表した症例は、OCTを用いて冠動脈内にトラップされたバルーンの位置を正確に同定し、その情報をもとに的確な方法によって取り出した、というものでした。アンジオやIVUSでは、その正確な位置が同定できなかったため、まさにOCTの高解像度がベイルアウトに寄与した一例でした。既に先日JACC cardiovascular interventionsにacceptされたものと同じ症例でしたが、発表ではさらに詳細な内容や考察を加えられたため、judgeやaudienceに症例のエッセンスを十分に伝えられたように思います。
さて、翌日は別のセッションでも賞を頂きました。こちらも、応募の中から選出された10名でのcompetitionで、今年から使えるようになったOCTの様々な新機能を、日常臨床でどう活用するかについてがテーマでした。発表させて頂いたのは、Angio co-registration機能を活用して、び慢性病変に対して効率的なPCIを行った症例についてです。そろそろ日本でも使用可能となる、bioresorbable vascular scaffoldを念頭においた、よりtailoredなPCIをOCTの新機能を活用して実現する、という内容でした。こちらも10人のpresenterの中から1名の座長賞が選出される予定でした。しかし、セッション開始前に起きた鳥取地震の影響で、座長の先生が開始時刻に間に合わなくなるハプニングもあり?、10人全員に賞が授与されることになりました。ということで、連日賞状を頂けるという人生初の実り多き学会となりました。科研費の締め切りと重なったこともあり、セッション直前まで準備に追われて大変でしたが、苦労が報われ久々に充実感を味わえました。ご指導・ご協力頂いた先生方、誠に有難うございました。今後もOCTに関する研究を中心に、色々と発信していきたいと思います。

mi1c