医局長のつぶやき

2023年06月

第268回日本循環器学会関東甲信越地方会Case Report Award 優秀賞を受賞して

循環器内科学 助教 藤吉 和博

この度、2023年6月17日に開催されました第268回日本循環器学会関東甲信越地方会のCase Report Awardにて、私の症例報告であります「心アミロイドーシスの臨床的下大静脈壁肥厚が病理学的アミロイド沈着と関連した一例」が、優秀賞を受賞致しましたのでご報告させて頂きます。
本症例報告の内容は、剖検で証明された心アミロイドーシスのふりかえりにて、心エコー図で確認された下大静脈壁の高輝度と肥厚所見が、アミロイド沈着であることを病理学的に証明したものです。心エコー図による静脈所見が、心アミロイドーシスの診断の一助になることが示唆されました。貴重な一例につき、症例報告として循環器トップジャーナルに採択されましたことも重ねて報告させて頂きました(Fujiyoshi K, et al. Eur Heart J. 2023 Feb 13:ehad072)。
このような素晴らしい賞を頂き光栄でありますが、最大の勝因はAward審査員に当医局の阿古教授がいらっしゃったことだと思います。審査委員長講評では、いずれのAward候補者の発表も秀逸の他ならず結果は僅差であったこと、内容とプレゼンテーション能力も重要ですが、最終判断は独創性と未来へのメッセージが強いものとのことでした。今後も継続的に情報発信し続けられるPhysician-scientistとして精進させて頂きます。
最後に、いつも研究御指導を頂いております北里大学医学部循環器内科学 阿古潤哉教授、発表にご推挙頂きました亀田良先生、発表直前までご助言賜りました北里研究所病院循環器内科 東條大輝先生、石田弘毅先生、石田三和先生に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。今後ともご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。