医局長のつぶやき

2017年06月

J-ISCPで研究奨励賞を頂きました

医療系研究科博士課程4年 藤吉 和博

2017年6月17-18日にかけて東京で開催された、第3回J-ISCP (Japan section for International Society of Cardiovascular Pharmacotherapy)にて、研究奨励賞を頂いたのでご報告致します。
J-ISCPは国際学会で国際心血管薬物療法学会の日本支部会であり、循環器疾患の枠にとらわれず薬物療法と絡めた幅広い研究報告がなされております。光栄なことに、2年連続表彰を頂く快挙であります。昨年の表彰は、徳島にて「高齢心血管疾患患者におけるβ遮断薬と認知機能評価Frontal Assessment Battery(FAB)の関係」を発表し(写真1)、研究奨励優秀賞を頂きました(写真2)。その発表内容は、心血管疾患由来の認知機能障害における薬物療法の影響を横断的に検討したものですが、会場にて多数のアドバイスを頂き、つい先日、阿古潤哉教授、東條美奈子先生、南尚賢先生の御指導下で、英語論文の投稿まで辿り着いた次第でございます。同会では主催の佐田政隆教授による脂質脂肪酸管理の重要性に着目された貴重な講演も拝聴でき、忘れられない学会でありました。

fu1c写真1. ポスター2016 fu2c写真2. 表彰状2016

さて、今年は、「慢性期心臓リハビリテーションを施行された高齢心血管疾患患者の認知機能改善に影響を与える因子」についてポスター発表をさせて頂き(写真3)、研究奨励賞を頂きました(写真4)。その内容は、包括的心臓リハビリテーションが認知機能を改善させ、加えて抗血小板療法も認知機能の改善度合に関与するかもしれないことを呈示したものです。高齢社会、さらに虚血性心疾患における抗血小板療法の在り方が問われる昨今であります故、多くの先生方から質疑を頂き、適切な応答ができたか分かりませんが、会に華を添えられた結果、栄えある連続表彰であったと思います。発表前は緊張のため食思不振でしたが、発表後に食べた神保町カレーの味は忘れられません。

fu3c写真3. ポスター2017 fu4c写真4. 表彰状2017

余談ではありますが、前述のJ-ISCP直前、2017年6月14-16日にかけて、名古屋で開催された日本老年医学会学術集会にも参加、口演発表させて頂きました。本会は、医学のみならず、社会科学、基礎老化学、歯科学、精神医学、ケアマネジメント、看護学など老年に関連する学術集会が同時開催され、様々な分野の研究発表を聴講することができました。その中で私は「高齢心血管疾患患者の認知機能障害に対する慢性期心臓リハビリテーションの影響」を発表させて頂きました。こちらも貴重な助言を多数頂戴でき実りある発表となりました。本研究はESC(European Society of Cardiology)Congress2017にacceptされ、バルセロナで発表させて頂きますので、そちらもご期待を頂けたら幸いです。
恒例につきまして、発表後のご褒美について少々。味噌カツ、天むす、ひつまぶし、名古屋グルメを堪能して参りました。会場内に金しゃちのレプリカ(写真5)があったのですが、そのト書きで初めて、しゃち(姿は魚、頭は虎)と、シャチ(イルカの仲間)は違うことを知りました。会場近隣に、白イルカやダイオウグソクムシで話題の名古屋港水族館がありましたので、シャチもしっかり観察して参りました(写真6)。また、名古屋駅周辺はサウナのメッカであり、循環器疾患における和温療法のエビデンス蓄積のため、ロウリュウを体験して参りました。老年医学会@名古屋からJ-ISCP@東京へと、延べ5日間の学会行脚を十分楽しませて頂きました。

fu5c写真 5. しゃち fu6c写真 6. シャチ

最後に、J-ISCPおよび老年医学会の発表にあたり多くの先生方々、スタッフ方々にご協力頂きました。この場をお借りし深く御礼申し上げます。この貴重な経験を臨床や研究に活かしていく所存であります。今後ともご指導ご鞭撻の程よろしくお願い致します。