医局長のつぶやき

2018年09月

2018.9.7~9.9 第66回日本心臓病学会学術集会

医療系研究科博士課程1年 松浦 元

今回、2018年9月7日~9日まで大阪で開催されました第66回日本心臓病学会学術集会に参加して参りましたので報告させていただきます。
今年は大阪国際会議場での開催で、テーマは「心臓病学をケースに学ぶ、エビデンスに学ぶ」であり、ケースを通じてエビデンスを学ぶことにより理解が深まり、一方で、エビデンスからはずれたケースを学ぶことはより質の高い診療を行うにあたり重要であるというものでした。今回の参加は、本学の小板橋先生が座長を務められました会長特別企画「拡張不全の鑑別診断~心筋疾患を疑う前に見極める疾患とは?」にて、若手ディスカッサントとして参加の機会を与えていただき、非常に有意義な経験となりました。
本学からは、演者としては私を含め、小板橋先生、石井先生、藤田先生、大木先生、前村先生が発表の機会を与えていただきました。筆者は、出向先から向かったため道中の新幹線は一人であり、はじめてのディスカッサントへの緊張でそわそわしていたため、学会会場で同期である大木先生や前村先生と合流して少し安堵しました。

拡張不全の鑑別診断の中では、症例をそれぞれの症状から、鑑別診断を挙げ、行うべき検査、その結果の評価、心臓超音波検査の読影、初期治療など実際の診療をすすめるような流れで私たちディスカッサント、会場参加者が参加型で行う非常に勉強になるものでした。石井先生がご発表なさった「貧血による高拍出性心不全の症例」のほか、「先天性心疾患~ASD」、「収縮性心膜炎」「肺高血圧症」「滲出性収縮性心膜炎」の計5例を教育講演も含めて計2時間参加させていただき、実際の経過を確認することでまさにケースから学ぶというものでした。小板橋先生よりもフィードバックを頂き、緊張しましたが非常に有意義な経験でした。
小板橋先生は「左室流出路狭窄合併例での妊婦の問題点と管理」、藤田先生は「卵円孔開存による右左シャントと肝肺症候群を合併したFallot四徴症心内膜修復術後の重症右心不全の一例」、大木先生はポスターで「クラミジア肺炎の寄与が示唆された好酸球性心筋炎の一例」、前村先生はポスターで「大動脈弁位生体弁の血栓塞栓により急性心筋梗塞を発症した妊婦の一例」で発表参加しておりました。また、前村先生のポスターは最優秀演題(今後の管理で一番苦労しそうな症例)を受賞しておりました。素晴らしいです!!

諸先輩方の発表は、非常に興味深い症例であり、また発表スライドやプレゼンテーションの仕方など含めて非常に勉強になり、次回は自分もよりよい発表ができるように日々精進していこうと意欲が高まりました。

発表の合間には、我らが病棟チーフ藤田先生と共に、大木先生、前村先生とともに元気を出すためにウナギを食べに行き、病棟のことも含めて今後を話し合う機会が得られ、臨床へのフィードバックを早速行える勢いでした(ちなみに、前村先生は前日夜もウナギであったようです(笑))。

そして、夜は0次会から始まり、夕食会では石井先生おすすめの燻製料理を楽しみながら、たくさんの先生方とお話しできました。猪俣先生の熱いお話を伺い、今後の臨床での考え方、ケース経験の重要性など学ばせていただきました。その後、2次会、3次会と飲み会は盛り上がっていきました。帰り道で、おなかがすいたと言った藤田先生には驚愕しつつも、結局つるとんたんでうどんをたべてしまったのもよい思い出です。。

今回、学会への参加を通じて、ひとつひとつの症例を大切にし、ケースから学ぶという重要性を再確認することができました。まだまだ未熟ものではありますが、今後もさらに精進して参りますので、何卒ご指導ご鞭撻の程をよろしくお願い申し上げます。