循環器内科学 助教 石末 成哉
昨年の台湾で行われたAPHRSにひきつづきに、今回も石末がAPHRS(Asian Pacific Heart Rhythm Association) 2019 の学会参加の御報告をいたします。本年は日本から飛行機で約6時間のタイ・バンコクで2019年10月24日―27日に開催されました。APHRSはPlenary sessionが数多く構成されており、毎年参加意義が高いと感じていたので今回の参加も楽しみにしていました。私は肺静脈隔離術中に生じた重症冠動脈攣縮症例について報告しましたが、岸原先生・深谷先生はInvited Facultyとして参戦しました。アジア諸国では未導入の国が多いのですが突然死予防に重要な役割を果たすS-ICD(完全皮下植え込み型除細動器)やWCD(着用型自動除細動器)について岸原先生からの報告と、抗凝固療法に関するアジア人での特徴を深谷先生からの報告が行われました。お二人とも英語で素晴らしいプレゼンテーションやディスカッションを繰り広げており、毎回のことながら、憧れと羨望のまなざしを送っていました。今回のAPHRSではEP quiz show(各国の代表の一人が選出され3-4ヵ国がチームとして、設問に挑み競うSession)という非常に興味深い企画がありました。なんと、われらの岸原先生が日本代表に選出されました。設問は難解で30秒以内に選択肢から答えなくてはならず、厳しいものでした。このように他の学会ではない企画が凝らされており、欧州からのエキスパートの先生方の報告も聞くことができ非常に有意義な学会参加であったと思います。来年も是非参加できるように、また少しでも英語力を含め臨床から得られるClinical questionとそれに対する答えが見つけられるよう日々精進することを心に誓いました。
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左から岸原先生・深谷先生・筆者 | 深谷先生のプレゼンテーション |
最後にタイ旅行記を徒然なるままに認めます。皆さんご存知のようにタイはケッペンの気候区分で熱帯性気候に分類され、気温は30度近くでしたが、日本の夏に比べて過ごし易く感じました。また、バンコク市内はアジア独特の勢いと活気が満ち溢れていました。その熱帯気候の影響とタイの独特の熱気が相まって、気づいたら毎日いや毎食のようにトムヤムクンを食べていました。唐辛子への感受性が非常に高い深谷先生も、辛い物を自然と欲しておりパクチーやナンプラーなどの独特の味わいのあるタイ料理を楽しむことができました。食文化が豊かなチャオプラヤー川が形成したチャオプラヤー・デルタと呼ばれる豊かな土壌の平地が広がり、世界有数の稲作地帯を形成しています。そこで収穫されるタイ米を主食とし、その他にエビなどの水産物やフルーツ・野菜類も豊かで、食文化の懐の深さを感じました。世界三大?四大文明は水量の豊かな河川周囲に栄えましたが、ここタイにおいてもチャオプラヤー川流域にスコータイ王朝やアユタヤ王朝が繁栄した歴史があります。今回はバンコクから歴史遺産のあるアユタヤまで足を延ばすことはできませんでしたが、次にタイを訪れる機会があればタイの歴史にも触れてみたいと思いを馳せ今回の報告を終了とします。
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筆者のポスター発表 | 岸原先生のプレゼンテーション |
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ファカルティディナーでの一枚。タイ名物のトゥクトゥクが会場においてました! |
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