医局長のつぶやき

2021年12月

第262回日本循環器学会関東甲信越地方会Student Award Finalist

北里研究所病院循環器内科 藤吉 和博

北里研究所病院循環器内科の藤吉和博です。コロナに負けずと港区白金にて心血管病診療体制の発展に全力で取り組んでおります。今回、2021年4月にクリニカルクラークシップ(通称クリクラ)で当院当科に来てくれた北里大学医学部6年生の宮城佑規くんが、2021年12月の日本循環器学会関東甲信越地方会のStudent Awardで症例発表してくれましたので、ご報告させていただきます。
ご存知クリクラは6年次に希望する3つの診療科を3週間ずつ経験する診療参加型臨床実習であります。私自身も十数年前にクリクラで循環器内科を選択実習し現在循環器内科に所属しているわけですが、その貴重な機会に宮城くんが当院当科を選んでくれたことにまず感謝です。5年次のポリクリとは一味違う当院ならではのクリクラを提供できるよう様に創意工夫をおこなっております。その一環として今回宮城くんがStudent Awardに挑戦してくれました。
Student Awardに至るまでのタイムスケジュールです。まずは4月に3週間の病棟実習、循環器内科名物である回診プレゼンテーションも滞りなくこなして頂きました。その時点で経験した症例を日本循環器学会規定の抄録345字にまとめてくれました。クリクラ修了後は本学の卒業試験に専念して頂き、11月末から発表にむけて再始動となりました。本番まではタイトなスケジュールとなりましたが、スライドは実一日でまとめ、原稿は当日まで推敲を重ねました。例年東京ステーションスクエアにて開催されておりましたが、コロナ禍感染予防対策の一環で完全web開催となり、当院医局から発信させて頂きました。
発表内容は2021年の循環器内科ガイドラインで心不全治療の主軸となりますサクビトリルバルサルタンについてです。サクビトリルバルサルタン導入時に心不全バイオマーカーの変動の特殊性は既に知られていますが、低心拍出症候群に陥った際さらにイレギュラーな挙動を示しました。循環器内科スタッフでさえその解釈に悩んでいたところ、宮城くんが丁寧に考察し発表してくれました。コンペティションでは強豪がひしめく中、惜しくも最優秀賞は逃しましたが、後日立派な表彰状を頂きました。ご褒美のうな重の味は忘れません。
最後に、このAward挑戦が宮城くんの循環器内科人生の第一歩目となりましたら、それ以上の幸せはございません。今後とも一緒に働けたら幸いです。入局お待ちしてまーす。新5年生・6年生の皆様、当院当科ではこのような病棟実習を展開しておりますので、興味のある方はいつでもご連絡ください。カムカムエブリバディ、メリークリスマス&ハッピーニューイヤー。北里研究所病院循環器内科一同。