医局長のつぶやき

2022年04月

日本心エコー図学会学術集会 in 鳥取

医療系研究科博士課程2年 江田 優子

コロナ渦の学会はいまだに完全Web開催の学会が多く、現地での学会開催は非常に貴重なものとなってしまいました。この度、日本心エコー図学会 第33回学術集会が鳥取県米子市で開催され、参加してまいりましたのでご報告させて頂きます。
今回の学会では、小板橋先生が「肺動脈弁に注目すべきファロー四徴症以外の先天性心疾患」「ASDを深堀する」という演題名でパネルディスカッションにご登壇されました。当院への成人先天性心疾患の紹介患者も年々増加しており、エコーのスキルが求められる場面が増えています。なかなか手を付けにくい分野という印象がありますが、知識を付けた上で検査を実施することでより興味を持って取り組めるのではないかと思いますので、病棟医の先生方にもぜひ積極的に関わって頂きたい分野です。また、郡山先生は「一般内科診療でのジェネラル心エコー図検査の有用性」という演題名でパネルディスカッションにご登壇されました。普段、総合診療科の外来であらゆる症例を診療されている郡山先生のからのお話でしたので、循環器専門医に限らず心エコーを実施する側、オーダーする側、両者ともに基本的な知識を持って検査に臨むことで心エコーがより有用な検査になると改めて感じました。

写真1:心エコー図学会 会場前で (小板橋先生、郡山先生、前川先生)

藤田先生、前川先生は収録ではありましたが症例報告を発表されております。今回は私も症例報告という形で発表をさせて頂きました。エコーは形態を見る検査であり、見えないものは診断できないと思っていましたが、この症例を通して事前に症例を検討してから心エコー図検査を実施することの重要性を痛感いたしました。症例に対して抱いている違和感や疑問点を前もって洗い出し、そのひとつひとつを心エコー図検査の結果から丁寧に答え合わせをしていく、まるで謎解きをしているような気持ちで発表の準備をしておりました。心エコーは非侵襲的な診断ツールでありながら、形態の把握はもちろんリアルタイムで血行動態を推察できる検査です。その重要性と魅力を改めて認識できた学会でした。また、現地開催でしたので座長の先生方と直接症例についてディスカッションできたことも非常に良い経験となりました。小板橋先生をはじめ、お忙しい中ご指導いただきました先生方にこの場を借りて深く感謝申し上げます。
また、毎年小板橋先生が世話人をされているウルトラクイズも例年通り行われました。私は移動の都合で参加はできませんでしたが、いつも通り非常に盛り上っていたようです。ホームページに成績優秀者は名前が挙がるのですが、いつか成績優秀者の常連に当院からの参加者が上がるようになれば良いなと思います。

写真2:心エコー図学会で開催されるウルトラクイズの座長を務められた小板橋先生

山陰出身の私としては、ぜひ皆様に鳥取の美味しい食べ物をご紹介したいところでしたが、感染状況を鑑みて自粛させて頂きました。今回は鳥取県で開催された心エコー図学会ですが、来年は岐阜県で開催される予定です。普段は行かないような都市に行けるのも学会の魅力の一つですので、コロナ感染症が収束し安心して学会に行ける日々が訪れることを切に願います。

写真3:心エコー図学会 会場前で (小板橋先生と筆者)